VRの活用と言うのは、今やゲーム業界だけではなく色々な業界で行われていますが、医療においてもそれは同じこと。
特にアメリカではVR映像を医療に活用することにも活発で、たとえば静脈瘤の治療に用いられたりしています。
痛みや不安を軽減することに活用している
静脈瘤の治療の際には、強い痛みを感じることも多いと言います。
特に手術後には、強い痛みに襲われるので、それに対しての鎮痛剤が必要だったりしました。
でも基本的には、やはりそういう鎮痛剤などは使わないで治療を進めていけるのであればそれに越したことはありません。
鎮痛剤はあくまでも薬になりますから、その薬に慣れてしまうこともありますし、それに依存してしまうこともあるでしょう。
さらに言えば何かしらの副作用が出る可能性だってあります。
だから、それを使わないで済むのであればそれに越したことはないのです。
そこでアメリカはテキサス州の病院では、その手術後の痛みの軽減や、あるいはその痛みへの不安の軽減のために、VR映像が活用されています。
実際そうしてVR映像を活用することによって、その不安や痛みは8割近くも軽減されていると発表しています。
VR映像を活用することでそれが改善出来れば、当然身体に何の悪い影響を与えることもなく、痛みや不安を軽減できるということになります。
それはまさに、理想の治療の進め方だと言えるのではないでしょうか?
VRを用いてゲームをやらせている
VRを治療に活用していると言うと、それを利用して何かすごく特殊な映像を見せているように思うでしょう。
ましてや実際にそれが不安や痛みの軽減につながるという結果を出しているわけなのですから、そうして特殊な映像を見せていると思うのも当然です。
しかし静脈瘤の治療で使われているVRでは、ただただゲームをやらせているだけだと言います。
ただそれだけのことで、不安や治療の軽減に成果を出しているのです。
それも、別に複雑怪奇なゲームではなく、ごくごくシンプルなゲームをVRの世界の中でさせているだけなのです。
なぜそれが不安や痛みの軽減につながるのか
でも、なぜただそんな簡単なゲームをやらせているだけなのに、不安や痛みの軽減につながっているのでしょうか?
それは、やはりそのゲームがVR映像を用いたゲームであることが大きいでしょう。
VR映像は、実際に自分がその世界に溶け込んでいるかのように思えるものです。
言うなれば、それをしていると、どっちが現実か分からなくなるということです。
もちろん実際にどっちが現実か分からなくなるわけではないですが、それくらいにのめり込めるということです。
そんな風にがっつりとのめり込むことが出来たら、その間は少なくとも痛みを忘れることも出来るでしょうし、その痛みを感じることに対しての不安を感じることもなくなるのです。
VR映像というのは、基本的にちょっとしたゴーグルのようなものをかけて見せることになります。
当然音声も聞かないとのめり込めないので、ヘッドホンをしたり、あるいはイヤホンをしたりすることになるでしょう。
と言うことはつまり、視界も音も、現実のものが遮断されるということになります。
そうなれば、実際に自分がいまどこにいて、どんな症状で何をしているのかと言うことなんて全然気にならなくなるのも当然です。
特に痛みを感じやすい静脈瘤に対して、そうして現実を遮断しやすいVR映像を活用するというのは、実に理に適っていると言えるでしょう。
まだまだ日本ではこうしたVR映像の活用は進んではいないように思えます。
一部のゲーマーの方などが活用しているくらいになるでしょう。
でも、これからは日本でも静脈瘤の治療の際に用いられる可能性も高いでしょう。
